「子どもにどんな学びを用意してあげればいいのだろう」——そんな悩みを抱く保護者の方も多いのではないでしょうか。特に近年では、「STEM教育」や「ICT教育」といった言葉を耳にする機会が増えています。
STEMとは、科学・技術・工学・数学を総合的に学ぶ教育。ICTは、情報通信技術を使った学習スタイルを指します。今、これらを組み合わせた学びが、子どもたちの未来を育てるアプローチとして注目されています。
本記事では、STEM教育にICTを活用することで生まれるメリットと課題について、保護者目線でわかりやすくご紹介します。
STEM教育にICTを活用するメリット
ICTを活用することで、STEM教育の質は大きく変わります。第一に挙げられるのが、リアルで体験的な学びの実現です。
たとえば、理科の授業で実際にはできないような化学反応をシミュレーションツールで安全に再現したり、ロボットプログラミング教材を使って「自分で作ったものが動く」体験を通して工学への関心を高めたりすることができます。私自身、ロボットに興味を持った息子と一緒に、家庭で簡単なプログラミング教材を使ったことがありますが、「どうしたら思った通りに動くか」と考える姿に、思考力と創造力の伸びを感じました。
また、ICTを活用すれば、子ども一人ひとりに合った学習環境を整えることができます。理解が早い子はどんどん進め、つまずいた子は何度も繰り返して学べる。動画教材や自動採点機能つきの教材などを活用すれば、保護者の手が足りない場面でも、子どもが自律的に学びを進めることが可能です。このように、ICTは“学びの個別最適化”を支える強力なツールと言えるでしょう。
さらに、最近注目されているのが「協働的な学び」の場面です。クラウド上のツールを使って子ども同士が意見を出し合ったり、共同で作品を作ったりすることもできるようになってきました。これにより、STEMに欠かせない「問題をチームで解決する力」や「相手の考えを受け止める力」も自然と育まれていきます。
ICT活用における注意点と課題
一方で、ICTの活用には注意点もあります。まず、端末や通信環境などの初期投資が必要な点です。家庭での導入を考える際には、タブレットやWi-Fi環境の整備、アプリの選定など、ある程度の準備が必要になります。また、教材やプログラミングツールは有料であることも多く、費用面での負担をどう考えるかは大切なポイントです。
次に、ICTを使う際には大人のサポートが欠かせません。特に低学年の子どもは、自分だけでツールを使いこなすのが難しい場合があります。使い方の説明だけでなく、「なぜこのツールを使うのか」、「どんなことを学べるのか」といった目的を共有しながら進めることが、より良い学びにつながります。
また、ICTの使用そのものが目的化してしまうことも避けたいところです。「タブレットを使ったからOK」、「アプリで勉強したから安心」ではなく、それを通じて子どもがどんな力をつけているのかを見極める姿勢が大切です。ツールはあくまで手段であり、目的ではありません。保護者として、適切なバランスを見極めながら使っていく必要があります。
家庭で始める!STEM×ICTの学び
では、保護者としてどのようにこの学びを取り入れていけばいいのでしょうか? 実は、特別な準備がなくても、家庭で取り組める教材やツールはたくさんあります。
たとえば、「Scratch(スクラッチ)」は、マウスでブロックを組み合わせてプログラムを作る、子ども向けの無料プログラミング教材です。キャラクターを動かしたり、音を出したりすることができ、楽しくプログラミング的思考を育むことができます。小学3年生以上であれば、親のサポートがあれば自分で操作することも可能です。
もう一つのおすすめが、「Viscuit(ビスケット)」です。こちらは「絵を動かすプログラミング」として、文字を使わずにプログラミングを体験できるのが特徴です。未就学児や低学年の子どもでも直感的に操作でき、自分で描いたイラストを自由に動かすことができます。
また、YouTubeなどで無料公開されている理科実験動画や科学番組なども、ICTを活用したSTEM的学びのきっかけになります。「こんなことができるんだ!」、「これってどうして?」と子どもが思ったときが、学びのチャンスです。ICTを通して、その“気づき”を深めてあげることが大切です。
おわりに
STEM教育とICTの組み合わせは、子どもの好奇心を刺激し、未来につながる学びの可能性を広げてくれます。しかしその一方で、保護者の関わり方や環境づくりも重要な要素となります。
私自身、息子が「ロボットを作ってみたい」と言い出したことをきっかけに、学びの在り方について考えるようになりました。どんな教材を選ぶか、どう関わるかはそれぞれのご家庭のスタイルでいいと思います。大切なのは、「子どもの興味の芽を、どう伸ばしていくか」という視点を持ち続けることではないでしょうか。
ICTをうまく活用しながら、子どもたちの学びを支える環境を家庭からも整えていけるといいですね。
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